理念
日本では太古の昔から、麻は、衣食住やエネルギーといった必需品等の原料として全国で広く使われ、その需要を満たすため全国で栽培されてきました。また祭祀や神具に利用されるなど、日本人の精神文化の根幹にも深く関わってきました。特に神道の神事は本来は麻がなくては成り立ちません。
しかし、それらは次第に海外から導入された化学製品等にとって替わられていき衰退の一途を辿ってきました。今ではわずかに五十数名の麻農業従事者がいることを除いては国産の麻の栽培は皆無に近い状態になってしまっています。
ところが視点を海外に向けてみると、90年代の中頃から欧米を中心に麻(Hemp)を見直す動きが活発に広がり、現在では欧米、中国、韓国を含めた多くの国で衣食住エネルギーや紙、プラスティックから医療に至るまで、その素材、原料として広範に利用されるようになってきており、世界的な麻の栽培も広がってきています。
ひとつの植物で広範な分野に活用できる麻は、石油の代替としてバイオマス資源の象徴的な存在です。麻を古来より伝統的に利用してきたこの国で、この植物の栽培や利用がなされない現状からシフトし、地球生態系との共生社会創生の中心的な役割を担っていくことを確信し、普及に努めてまいります。
私たちは、限りある石油化学製品や木材資源に代替できる、循環型の植物資源である麻の産業及びその文化の復興を実現します。同時に、化学医療品等にかわる麻の新しい可能性を追求し実現させていくことにより、閉塞感に満ちたこの国に希望ある新たな息吹を吹き込みます。
また、今にも失われようとしている、古代から続く日本の麻の伝統技術、文化を保存継承し持続可能な仕組み創りを未来に繋いでいくことは、この時代この国に生まれた私たちの未来に対しての責務と考えます。
この度、特定非営利活動促進法に基づく法人格を取得することにより、現在の活動基盤をさらに充実させます。麻の伝統の保持継承を図り、新産業の振興を図る事業を行い、いのちを繋いでいける持続可能な社会創りに寄与することを目的として本法人を設立いたします。
奈良県には由緒ある神社が多くあり、今もなお麻の繊維が使われております。
概要・沿革
- 1997年 4月
- 日本麻協会 創設(任意団体)
- 1997年 5月~
- 全国各地の麻織物、麻づくりにゆかりのあるところを訪問。
- 1999年 4月
- 「おおあさ祭り」実施 滋賀県
- 1999年 9月
- 奈良県月ヶ瀬村(当時)「奈良晒保存会」の講習会に参加(2002年2月まで)
- 2000年 4月
- 「大麻栽培者免許」取得(岡沼隆志)(2002年12月まで)
- 2000年 8月
- 「いのちの祭り」にて「ヘンプで作ろう循環型社会」に参加
- 2000年 8月
- 群馬県吾妻町の「岩島麻保存会」にて繊維作り研修に参加
- 2000年 10月
- 「岩島麻保存会」との交流会実施 東京都
- 2000年 11月
- 「ヘンプがわかる55の質問」(赤星栄志著)を出版
- 2000年 11月
- 奈良晒保存会に精麻250g納品
- 2001年 1月
- 麻と環境に関する情報交換サイト「ヘンプインフォ」創設
- 2001年 2月
- 「第1回アジア麻産業国際会議」(韓国安東市安東大学にて)に参加
- 2001年 8月
- 「岩島の麻づくり体験及び後継者育成事業」実施 群馬県
- 2001年 8月
- 「麻の加工伝統技術を学ぶ集い」実施 長野県
- 2008年 11月
- 「第2回アジア麻産業国際会議」(韓国東海市韓中大学校にて)に参加
- 2009年 11月
- 「大麻自由学校」に講師派遣
- 2010年 11月
- 「大麻自由学校」に講師派遣
- 2011年 4月
- Facebookに「Japan Hemp Association」を開設
- 2011年 7月
- 「みどりの未来」(「緑の党」前身)関西総会にて麻レクチャー講義実施
- 2011年 11月
- 「大麻自由学校」に講師派遣
- 2012年 11月
- 「大麻自由学校」に講師派遣
- 2013年 7月
- ヘンプカー2013ツアー、大阪府貝塚市、泉南市でのイベントにて麻レクチャー
- 2013年 9月7日
- 設立総会開催